
三共済について
今回は中小規模の法人、個人事業主向けの経営リスクへの備えや退職金の積み立てに活用されている共済制度「三共済」についてご紹介します。
三共済とは小規模企業共済、倒産防止共済(経営セーフティ共済)、中小企業退職金共済(中退共)の3つの制度のことを指します。すべて国(独立行政法人)が運営する共済制度です。
①小規模企業共済
小規模な会社の経営者や役員、個人事業主向けの積み立てによる退職金制度です。役員の方が会社を退職された時や個人事業主が事業を辞められた際にその後の生活や事業再建のための資金を準備しておくことができます。掛金は全額、所得控除になるため個人の所得税、住民税の節税にも繋がります。
【加入資格】
・常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の個人事業主または会社役員
・上記事業に該当する個人事業主の共同経営者
【メリット】
・掛金が確定申告において全額所得控除できます。
・事業の廃業や退職時に、それまで積み立てた金額を退職金として受け取ることが可能です。
・掛金の範囲内で事業資金の貸し付けが受けられます。
【デメリット】
・加入期間12ヶ月未満で任意解約すると掛け捨てになります。
・掛金納付月数が20年未満で任意解約した場合、解約金は元本割れします。
・共済金の受取時には課税されます。
②倒産防止共済
取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できます。
【加入資格】
・1年以上事業を継続しており、各業種で定められた「資本金・出資金の総額」、「常時使用する従業員数」のいずれかが加入要件に該当する会社または個人事業主
たとえば、サービス業(法人)は資本金5,000万円以下、常時使用する従業員数が100人以下です。
【メリット】
・取引先の倒産により売掛金の回収が困難になった場合、無担保・無保証で掛金の10倍まで借入が可能です。
・掛金は損金(必要経費)として計上できるため、節税に繋がります。
・解約した場合でも、手当金を受け取れます。
【デメリット】
・小規模企業共済と同様、掛け捨て、元本割れのリスクがあります。
・解約手当金は課税対象になります。
・借入後は「借入額の10分の1相当」が掛金総額から控除されます。
倒産防止共済(経営セーフティ共済)については以前にお知らせよりご紹介しています。
下部にリンクを貼り付けておりますのでそちらも参考になさってください。
③中小企業退職金共済
中小企業の事業主が、従業員の退職金制度を設けやすくするために、国が創設した制度です。加入対象者(被共済者)は従業員で、会社が毎月掛金を支払って従業員の退職金を積み立てていき、従業員が退職した場合、退職金は中小企業退職金共済から直接支払われます。
【加入資格】
・業種ごとに資本金・出資金の額か、従業員数のどちらかの基準を満たしている企業または個人事業主
例:サービス業は常用従業員数100人以下 または 資本金5,000万円以下
【メリット】
・掛金を全額損金扱いにできます。
・1年間、掛金の一部を国が助成してくれます。
【デメリット】
・加入後12ヶ月未満で従業員が退職してしまうと、退職金は全額支給されません。
・掛金の減額をしたい場合の手続きが容易ではありません。
・運用利率が変動する可能性があります。
以上が三共済の大まかな内容です。
デメリットも挙げましたが、退職後の生活保障や、取引先の倒産といった不測の事態に備えることができるだけでなく、節税としても恩恵を受けることができるメリットの大きい制度です。加入検討される場合はぜひアークグロー・パートナーズ税理士法人にご相談ください。